気をめぐらす!
秋の深まりを感じる今日この頃、気温がかなり下がったこともあって体調を崩されてる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今日は遡ること300年前の江戸時代中期に書かれた日本で初めて「健康ブーム」を巻き起こしたとも言われる、健康本に学ぶ健康法をご紹介します。
健康本の名前は、「養生訓(ようじょうくん)」と言われる本で、儒学者であり当時の最先端医学に通じていた貝原益軒が自らの人生経験をもとに書き下ろした本です。
本の始まりには、
「人の身は父母を元にし、天地を初とす。天地父母のめぐみをうけて生まれ、又養われたる我が身なれば、わが私の物にあらず。」
~訳・私たちの体も命は天地父母から生まれたものであり、自分の私物ではない。天の授かりものだという意味。
と記されています。
現代の医学は、医療技術が進歩したことで、病気やケガをしても、効能の優れた薬や治療法で長く患うことなく、すぐに元気で健康な状態になれると言えます。しかしながら、医療技術が飛躍的に進歩しても、まだ不治の病や、例え治っても後遺症に悩まされる病気やケガがあることも現実です。
養生訓の中には「病気」や「臓器」など、医療に関わる専門用語は一切出てこないそうです。
作者は、あくまでも健康で豊かな生活、人生を自らの力で手に入れる為に必要な養生=「養う」と言う考え方を本の中で説いています。
医学を否定的に捉えているわけではなく、必要であれば医者へ行き薬をもらうことについても本には書かれているので、医学が必要の無いものとして捉えられているわけではありません。
大切なのは、自らの「命」に畏敬の想いを持ちながら身を「養う」ことが大切だと言うことでしょう。
では、「養う」とはどんな方法なのかですが、それは「気をめぐらす」ことだと書かれています。
「気」と言うと、東洋医学的で目には見えない怪しげなものに思えますが、本に書かれているのはそう言った神秘的なものではなく、身体感覚として感じる体の中の状態や、身の回りの雰囲気、自分の精神状態などを総じて「気」と言う言葉で言い表されています。
現代人の私たちは自分の身体について、どれくらい「気」を使っているでしょうか?
好きなものを好きなだけ食べたり、何もしないで家の中でゴロゴロとしながらテレビを見たり。
自分の身体だけでなく周りの環境にも「気」を使うことができていないことが多いのではないでしょうか?
養生訓には、具体的な実践方法として、「導引法」と言われる体操、マッサージを組み合わされたようなものが紹介されています。
私が感じるところでありますが、運動すること、トレーニングすることも、自分の身体に「気」を巡らすこと、自分の身体や周りに「気」を使うことになると思っています。
身体を動かすことで感じられる爽快感や適度な疲労感、継続する事で得られる身体の変化や精神面での変化は、自らの身体に「気」を巡らせ「養生」していることになると言えます。
涼しくて快適な今の時期だからこそ、自分の身体を健康で豊かにすることや病気をしにくい身体にするためにも、是非とも運動、トレーニングを始めてみてはいかがですか?
先ずは何よりも、Nadiに来ることをオススメします!
(参考書 「養生訓」に学ぶ 立川昭二氏 )