Nadiインタビュー VOL.3 MIKI.N
Nadiインタビュー VOL.3 MIKI.N × 聞き手:YUKINO(Nadiスタッフ)
このコーナーでは、Nadiに所属している先生にインタビューをし、
普段のレッスンではなかなか聞くことのできない、先生の内面や人間性に触れていきます。
いつも若々しく、ユーモラスで謙虚な姿勢が印象的なMIKI.N先生。
ヨガと踊り。そしてインドの話。色んな顔を持つ先生には、聞きたい事が山積みの時間でした。
YUKINO(以下Y) 「先生がそもそも、踊りやヨガを始めたきっかけはなんだったんですか?」
MIKI.N(以下M) 「基本的にヨガもインド舞踊も元々はカラダを鍛えるために始めました。始めは、どっちにしようかどうしようか迷ったんだけど、インド舞踊の方が楽しそうと思って。8年くらいインド舞踊の研究所に通っていました。
ただ、これではカラダが鍛えられるかもしれないけど、もっと健康にと思ったんです。その当時研究所にはヨガの先生も結構習いに来られていたんですよ。そのお1人について習いました。踊りのためにも。カラダのゆがみを治すためにも。踊りだけでは身体を整えるのが難しいかと。」
Y 「なるほど~。小さい頃はどんな感じだったんですか?」
M 「動くのは嫌いで、体育が嫌いでした。劣等感の塊ですよ(笑)」
Y 「え!そうだったんですか?」
M 「そう。でも、4歳ぐらいの頃にバレエをちょっとだけ習ったんです。田舎だったから父親が遠方から先生を呼んでくれてて。みんなでやってたんです。6ヶ月くらいだったんだけど。やっぱりそれが楽しかったんです。
その経験もあって、働き始めたころ、バレエを習いたかったんです。
だけど、敷居高くて。今ならバレエもフィットネスの感じで気軽に出来るじゃないですか。当時はちっちゃいころからバレリーナに憧れる子が習うようなイメージで。まあ時代が違うんですけど。だからもう、教室を尋ねる勇気もなくて。
で、このインド舞踊も『二十歳過ぎてるけどいいですか~?』って聞いたら「どうぞ!」って言われて。それで行ったら、小さい子もいたり、年上の人もいたりで、楽しそうだった。それからズルズルと・・・(笑)」
Y 「バレエがきっかけだったんですね~」
M 「仕事も座り仕事であまり動かないし、『何かしないと!』って思って。ヨガは1981年頃からかな。習っていた時は、教える気持ちは全くないから、自分のカラダのためにしてました。ヨガもインド舞踊もどちらもインドに繋がっている。私のヨガの先生はインドが好きで、踊りも好きな方でした。その先生に、9年くらいヨガを習ってたかな。インド行く前から始めたから・・・」
Y 「先生がインドに行ったのは踊りのために?」
M 「そう。インドは踊りのために。1990年に行きました。25年、あっと言う間だったのよ。」
Y 「1990年代のインドって想像できない。」
M 「でも、1990年代のインドでも、1980年代にインドへ行った人からは、『もーだめだよ、ニューデリーは。都会過ぎていてインドではない。(インドらしくないという意味)』って言われてたの。インドの話になると熱が入るんだけど、1990年の時はインドは鎖国状態というか、出来るだけ国産のものだけでいこうとしてる状態だから、高い税金のかかる輸入物はかなり少ないっていう時代。クリスマスとかバレンタインもメジャーではなかった。
初めてのインド滞在中は中東で湾岸戦争がおこった年だったので、その影響でインドへの観光客も少なかった。次の年にラジーヴ・ガンディー元首相の暗殺もあってビックリしたのを覚えています。どんどん物価も上がっていったし。その後、インドへ行くたびに輸入の関税も少なくなって日本車も増えて、日本食も結構食べられるようになり、国際電話も手軽に繋がるようになり、電話が携帯になりという歴史を見てしまいました。インドについてだと、そんな感じかな。」
Y 「そんな時代にインドに行こうと思うのが凄いな。」
M 「インド舞踊やってるときに、泊まり込みで沖縄から京都に来てる人がいたの。『なんでこんな遠いとこまで来てるの~?!』って聞いたら、『ここで学べなかったら次はインド行こうと思ってる』っていわはって。『えええ~!』ってビックリ。そんなん私にはできへんと思ってるのに、その言葉が衝撃的で、何か、心に残ってたのかな。
それで、結局8年くらいで研究所を辞めたんですよ。辞めてぼんやりしてたら、だんだん太ももとかが痩せてきてね。『やっぱり踊らないとアカンよな~』と思って。先生もいないから、友達と練習してたんだけど、『やっぱりインドかな~?』と思って。」
Y 「そんな出会いがあったんですね~。習いだして、舞台に立つようになったきっかけはあるんですか?」
M 「インド留学中に、フェスティバルで踊らないかと言われて。1991年にそのフェスに出て、留学の締めくくりに先生に勧められて1992年にデビュー公演もやりました。それで日本に帰って来たんです。帰っても、教えてもらった恩があるような感じが残って。ほとんど一対一で丁寧に教えて頂いたしね。少し違うニュアンスだったと思うのですが『これでやって行きなさい』て言われたの。それはどういう意味か?当時はぼんやりしてた。自分の中では日本に帰ったらまた仕事をして、趣味で踊ろうと思っていたから。」
Y 「なるほど。じゃあ、そこから指導する立場になったきっかけは?」
M 「インド舞踊は、場所を借りて自主練習していたんだけど、丁度その頃「教えて下さい」って尋ねて来られた方がいて。そしてその方がチラシを作って広めてくれたんです。
ヨガの方は、先生に『もう教えたら~』と言われて。そしたら、近所の方が教えて~って。いつもそんな感じ。『えー』とか言いながらね。今はヨガのクラスはNadiだけなんです。インド舞踊エクササイズは他でもやってるんだけどね。シニア向けに、ヨガと踊りをミックスさせたような。本当はヨガがしたかったんですけど、その時はもうすでにクラスがあったので、何か他に考えてって感じで。」
Y 「MIKI先生のオリジナルなんですね!インド舞踊エクササイズって!」
M 「う~ん。学んだ事をアレンジしているだけ。大したことないですよ(笑)」
Y 「ちなみに、インド舞踊って男の人も踊るんですか?」
M 「私は男の先生に習っています。男女おんなじように踊るんです。男の人も女性の仕草がありますし、女の人が男の人っぽい力強い動きをする踊りもあります。「オディッシィ」に関しては男女同じです。珍しいでしょ?インド舞踊でも、他の国の踊りでも男女で踊り方が違ったりすることもあるけど、オディッシィはおんなじなんです。私の考えだけど、舞台上の自分の立ち位置は中性のラインでいる気がする。踊る演目によって女性になったり、男性になったり。衣装も基本的には特別役柄で変えたりとかしないです。」
Y 「踊りにはストーリーがあるんですか?」
M 「ストーリーもあるし、そうじゃないのもある。今、古典は8種類くらいある。最初は4つだったんだけど、どんどん増えてるの。それが重要文化財とかと同じで、古典っていうふうに政府が認定するんですが、芸術性が高いとかあるレベルまで達していないと難しいです。私の踊っているオディッシィも最初古典には入ってなかったの。その後古典に認定されたんです。」
Y 「踊りの師匠はずっと一緒なんですか?」
M 「私は一緒です。先生はもう70歳越えてる。」
Y 「そうなんですね!正直、先生の中でヨガよりも、インド舞踊の方が好きですか?」
M 「そうですね。やっぱり経験値的にインド舞踊の方が高いですし。ヨガはそれを補足する、自分の健康のためにやってきた要素の方が強いので。だから、未熟な部分があると思う。いや、どっちも未熟なんだけど!
人に指導して教える事に関しては、若干ヨガの方がまだまだ。初心者の方に伝える事はできても、奥深いヨーガというものをほんとに指導出来る立場かどうかは大きな『?』がつきますね。技術的な事を伝えたり、Nadiでは特に健康になってもらったり、やってて気持ちいいなと思ってもらえるようにやってますけど、ヨガの神髄としてはもう少し違うところにあるんではないかなと思うんです。」
Y 「ヨガの神髄・・・」
M 「そこらへんは、私のような者ではおこがましいような感じなんですよ。なんだろ。サドゥーとかね、インドではお坊さん(行者、聖職者等)がやってたイメージがすごくあるので。アメリカからきたヨガとインドのヨガとちょっと違う気がして。
私の中でヨガと言えば、インドのヨガ行者的な感じがあるんです。行者っていうと精神世界になるので・・・カラダを整えて尚且つ精神を上に保つような。だから、私の様な煩悩にまみれている人にはちょっと難しいなと思いますよね。(笑)」
Y 「いえいえ、そんな事はないと思いますが!ただ、先生の中ではやっぱり健康になるためっていう要素が大きいイメージです。」
M 「はい。そうですね。Nadiでは、皆さんにヨガを好きになってもらえたら嬉しいし、そしてまた次のランクにいってもらえたら・・・というような。導入の部分で、まずカラダを整える事をしています。」
Y 「では、ヨガをやってて良かったと思う事は?」
M 「やっぱり、蓄積だと思っていて。ヨガやっててすごく良かった!素敵!というようなことじゃなくて・・・。じわじわ~っと何か変わって来たな~。というような感覚。劇的な変化っていうのは、そんなに・・・。怠けているからかな(笑)前まで息がすごく浅かったのに、何だか深くなってる気がする。みたいな感じ。」
Y 「インド舞踊とヨガっていう比較対象があるが故に、両方を客観的にを見れてるんですね。」
M 「いやそんな事は・・・全体にまだまだですよ~。怠けてると思うよ~。ただ、自分の中では一生懸命やってるつもりなんだけど、『頑張りました!』っていう感じは今までずっとない。ちょっと抑えぎみにはしてるのかな。そうじゃないとカラダを壊すとか、色々あって。
無理ない範囲でって、生徒さんにはいつも言うんだけど、本当はそれがものすごい難しいかもね。元々カラダ弱いからコレ全部始めたんだけど、その劣等感があったから今まで続けることになったのかな。」
2015年で踊りの方は一区切りされたみたいで、今までよりもマイペースに進められるそうです。
自分の役割をもっと見直すと、笑顔でお話して下さったMIKI.N先生。
どんな時も謙虚な姿勢を忘れずに過ごされていて、本当に尊敬します!!
ちなみに、7月8日オープンクラスにてMIKI.N先生のインド舞踊が見れますよ!ぜひご参加くださいませ(^^)
Profile
生年月日: 申年
クラス名・時間: 【金曜日13:00~ 「やさしいヨガ」】
好きな食べ物: 特になし
座右の銘: 特になし